雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
るんるん気分で浴衣を着て、髪を乾かして、お肌のお手入れをして、それから薄くメイクもして、女湯から出た。

雨宮課長は湯上り処という、休憩所の長いすに腰を下ろしていた。

やっぱり待たせてしまった。

「雨宮課長、お待たせしました」

こっちを向いた課長の前髪が……額の上にかかっている。
いつもの前髪をあげた髪型と違う。

キュン。

湯上りの課長もいい。
なんか色気を感じる。

やだ。意識したらドキドキして来た。

まだ夕飯まで時間があったから、課長とホテルの売店に行った。

庶務係のみんなにお土産を買った方がいいよね。
何がいいかな。

こけしクッキーにこけし饅頭か。
こけしの顔をしていて可愛いかも。

栗原さんとまりえちゃん、喜んでくれるかな。風見係長、甘い物が好きって言っていたからお饅頭いいよね。後藤さんは甘い物大丈夫だったかな? お煎餅も買っていこうかな。

雨宮課長に意見を聞こうと思ったら、離れた所でスマホを見ていた。

「雨宮課長」

呼んでも気づいてくれない。

「あの、雨宮課長」

あっ、課長、こっちを向いた。

近くに来てくれると思ったら、私を無視するようにまたスマホを見た。

あれ?

なんか急に課長との距離が……。

気のせい?
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