雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「私も、あの映画館で、課長にハンカチを貸してもらった日から、ずっと課長を想っていました。課長に会う度に好きって気持ちが重なっていって、好きで苦しかった」
最後の言葉を口にすると、柔らかな課長の唇が重なる。チャーハン味のキスが胸に甘く響く。
「奈々ちゃん、好きになってくれてありがとう」
「いえ、私の方こそ」
「東京に帰ったら全部話すと言ったね」
「はい」
課長の表情が深刻なものに変わる。
これから聞く話は覚悟がいりそうな気がして怖い。
「あの、とりあえずご飯を食べてからにしませんか」
今の幸せな時間を消したくなかった。
せめて、課長が作ってくれたチャーハンと卵スープを食べ終わるまでは。
「そうだね。そうしよう」
穏やかな表情を浮かべた課長にほっとする。
課長の隣に座って、すぐ近くに気配を感じながら、ゆっくりとチャーハンと卵スープを平らげた。
それでも話を聞くのが怖くて、食後すぐにキッチンに立ってお皿やフライパンなどを洗う。
それから課長にお茶を淹れようと、結婚式の引き出物で頂いた緑茶のティーバッグを探し始めた。
戸だなを開けて、お茶を探していると、「奈々ちゃん」と課長に声をかけられた。その声はそろそろ話すよと言っているようだった。
最後の言葉を口にすると、柔らかな課長の唇が重なる。チャーハン味のキスが胸に甘く響く。
「奈々ちゃん、好きになってくれてありがとう」
「いえ、私の方こそ」
「東京に帰ったら全部話すと言ったね」
「はい」
課長の表情が深刻なものに変わる。
これから聞く話は覚悟がいりそうな気がして怖い。
「あの、とりあえずご飯を食べてからにしませんか」
今の幸せな時間を消したくなかった。
せめて、課長が作ってくれたチャーハンと卵スープを食べ終わるまでは。
「そうだね。そうしよう」
穏やかな表情を浮かべた課長にほっとする。
課長の隣に座って、すぐ近くに気配を感じながら、ゆっくりとチャーハンと卵スープを平らげた。
それでも話を聞くのが怖くて、食後すぐにキッチンに立ってお皿やフライパンなどを洗う。
それから課長にお茶を淹れようと、結婚式の引き出物で頂いた緑茶のティーバッグを探し始めた。
戸だなを開けて、お茶を探していると、「奈々ちゃん」と課長に声をかけられた。その声はそろそろ話すよと言っているようだった。