雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「中島さんと僕が一緒に暮らしているって事ですよ」
疋田さんの後ろから拓海さんの声がした。
驚いて視線を向けると、庶務係の出入り口スペースに拓海さんが立っている。
「雨宮課長……」
疋田さんが首をキョロキョロと動かせて、私と拓海さんの顔を何度も見比べる。
「今、何と?」
疋田さんの視線が拓海さんで止まる。
「ですから、僕と中島さんは同棲しています。疋田さんが仕事熱心なのは知っていますが、これはプライバシーの侵害です」
疋田さんの顔が真っ赤になる。
「す、すみません。書類のミスかと思って」
「ミスではありません。中島さんはきちんと書類を作成して提出しています。確認は僕がしました。既に処理したはずの物を掘り起こすのはどういう意図があってですか? 僕の仕事が信用できませんか?」
拓海さんの表情が厳しい物に変わる。
傍から見ていても怖い上司の顔だ。
「い、いえ」
疋田さんはそれ以上、何も言えなくなってしまった。
拓海さんに叱られたのは初めてなんだろうか。
「雨宮課長、疋田さんは課長の事を心配して下さったので、もうその辺で」
ちょっと疋田さんが可哀そうだったから言ってあげた。
疋田さんの後ろから拓海さんの声がした。
驚いて視線を向けると、庶務係の出入り口スペースに拓海さんが立っている。
「雨宮課長……」
疋田さんが首をキョロキョロと動かせて、私と拓海さんの顔を何度も見比べる。
「今、何と?」
疋田さんの視線が拓海さんで止まる。
「ですから、僕と中島さんは同棲しています。疋田さんが仕事熱心なのは知っていますが、これはプライバシーの侵害です」
疋田さんの顔が真っ赤になる。
「す、すみません。書類のミスかと思って」
「ミスではありません。中島さんはきちんと書類を作成して提出しています。確認は僕がしました。既に処理したはずの物を掘り起こすのはどういう意図があってですか? 僕の仕事が信用できませんか?」
拓海さんの表情が厳しい物に変わる。
傍から見ていても怖い上司の顔だ。
「い、いえ」
疋田さんはそれ以上、何も言えなくなってしまった。
拓海さんに叱られたのは初めてなんだろうか。
「雨宮課長、疋田さんは課長の事を心配して下さったので、もうその辺で」
ちょっと疋田さんが可哀そうだったから言ってあげた。