雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
拓海さんは、はあっと息をつき、「僕の事を心配する暇があったら仕事をしっかりして下さい」と疋田さんに注意した。

疋田さん、言われちゃった。

女子トイレで拓海さんの陰口を言っている所が浮かぶ。きっと今日からアンチ雨宮課長になるんだろうな。私もセットで叩かれるのかな。まあ、いいや。

疋田さんが退散すると、栗原さんが「へえー」と呟いた。

今のやり取りで、庶務係にいたみんなに拓海さんと一緒に暮らしている事がバレた。

「やっぱり雨宮課長は中島さんに気があったんですね」
まりえちゃんが言った。

「中島さん、雨宮課長のハートを射止めちゃったんだ」
風見係長まで乗って来た。

「なんか照れくさい空気が漂ってますが」
後藤さんがこの場の雰囲気を総括するように言ってくれた。

拓海さんと目を合わせて、照れ笑い。

「雨宮課長、用がないのならさっさと向こうに行って下さい」
私の言葉に拓海さんが「中島さんを呼びに来たんです」と言った。

私を呼びに? 何だろう?
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