雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「ちょっとお母さん、勝手な事しないでよ!」

お母さんが驚いたように目を丸くする。

「いきなり退院って」
「だって大した怪我じゃないんでしょ? さっきナースステーションで聞いたわよ。頭を打ったから一応、大事をとっての入院だって」
「それはそうだけど……」
「奈々子が早く帰りたいと思って、お母さん、先生にお願いしたのよ。早く大好きな拓海さんの所に戻りたいでしょ?」

うふっとお母さんが微笑んだ。

拓海さんって……雨宮課長の事?
お母さん、拓海さんって呼んでいるの?

それに大好きだなんて……。

「ほら、早く拓海さんに退院だって知らせてやりなさいよ。きっと心配しているわよ」

お母さんは私が一年分の記憶がない事を聞いていないんだろうか?

「もう、グズグズして。しょうがないわね。お母さんがするから」

唖然としていると、お母さんが自分のスマホを取り出した。

「ちょっと、お母さん、何するつもり?」
「拓海さんに、退院になったってメッセージ送るの」

え! お母さん、雨宮課長とメッセージアプリで繋がっているの?

「ちょっとやめてよ!」
「もう送っちゃった」

嘘……。

まだ雨宮課長の所に戻るか決めていないのに。
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