雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
中居さんが出て行ったあと、敷かれたばかりのヒンヤリとしたふかふかの布団の上に雨宮課長と寝転がった。

食べたばかりでちょっと動けない。

「奈々ちゃん、お腹いっぱい?」
私の様子に気づいてくれる。
「すみません」
「大丈夫だよ」っと言って頭を撫でてくれる。この大きな手が好き。
「でも、あの、くっついてもいいですか?」
「もちろん」
雨宮課長が腕枕をしてくれる。
すぐ横に端整な顔がある、この距離がまだ慣れなくて恥ずかしい。
それに眼鏡のない顔にも。

「いつから俺を好きでいてくれたの?」
心地いい静かな声で聞かれて、「うーん」と考えてみる。
「桃子とワインバーに行った日の夜だから、退院してから十日後ぐらい?」

二重瞼の奥の黒い瞳が丸くなる。

「十日で好きになってくれたんだ」
「言われてみればそうですね」
「早く言ってくれればいいのに。俺、奈々ちゃんに不用意に近づかないように気をつけていたんだから。今夜だって同じ部屋に泊まって我慢できる自信なかったから、もう一部屋取って」
「そうだったんですか?」
「そうだよ」
ちょっと怒ったように言った雨宮課長が照れて見えて可愛い。

「お部屋、無駄にしちゃいましたね」
チュッと私から唇にキスをすると、雨宮課長の頬がますます赤くなった気がする。

あれ? もしかして私にときめいているの?
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