雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】

トラブル

「朝だよ。奈々子」

甘い囁きに目を開けると雨宮課長の端正な顔がすぐそばにある。

「ほら、コーヒー」

ピンク色のマグカップを渡される。

「猫舌なんだから、気をつけろよ」

大きな手が私の頭をふんわりと撫でる。
それだけでもう、胸がいっぱい。

何これ? 甘すぎるんですけど。

「奈々子、今日も可愛いな」

か、可愛い。

雨宮課長ったら、面と向かって……きゃは。恥ずかしい。

「奈々子は守ってあげたくなる女だよ」

「きゃあ! 嬉しいぃぃぃ! 課長好き!」

雨宮課長に抱き着いた所で、ドサッとベッドから落ちる。

目を開けると布団から飛び出てフローリングの上に寝ていた。

ここは一人暮らしの私の部屋。

もちろん、雨宮課長がいる訳ない。

今朝もお花畑全開の夢を見てしまった。

雨宮課長と釜めし屋に行ってから一週間、毎日、雨宮課長が夢に出てくる。

夢の中の私は完全に人格が崩壊している。

夢は願望の現れだというけど、こんなおバカな妄想が私の願望だというのか?

恋するとバカになるの?
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