暑い夏は冷たい晴に恋をする
バスで3時間ほどで空港に着いた。顔がすっかり腫れてしまい、保険の先生には転んだとせんめいして、湿布を貼ってもらった。少しぼーとする気がしたが、きっと疲れてるからだろうと思った。



飛行機に乗りしばらくして、気圧の違いか、頭が痛くなったので、すぐに睡眠に入った。何時間寝たのか分からない。でも、目はあかなくて、代わりに頭がガンガンして、体がすごく暑い、だるくて辛かった。


「なっちゃん、大丈夫?!なっちゃん!」


桜木ちゃんの声が聞こえるけど息がしずらくて、反応ができない。酸素を取り込むのに手一杯である。



雨に濡れただけでこんなになるものか。しかもまだ6時間ぐらいしかたっていない。でもそういうものなのか。



「なっちゃん、ごめんね担がせてもらうよ」


この声はこうくんの声だ。その声と同時に体が浮遊感に包まれた。ごめんねきっと重いよね。でも辛くてひとりじゃ歩けない。というかまず、立ち上がれなかった。



どこかへ向かって歩く中、「天野」と呼ぶ大好きな人の声が聞こえた気がした。でもきっと幻聴だろう。期待はしたくない。直ぐに私はもう一度意識を手放した。




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