暑い夏は冷たい晴に恋をする
「ダメって言ってるでしょ?いい加減、あなた高校生なんだから理解しなさい。」
朱里先生に怒られでも、ショックで何も聞こえなかった。ただ呆然とたっている。
「もう二度と、晴くんの前に現れないで」
私の耳元で私にしか聞こえない声で、朱里先生は確かにそう呟いた。
「じゃあ行きましょうか。」
朱里先生の声について行くかのように歩き出した一瀬先生の袖をまた掴んだ。どうしてか分からない。でも、無意識に掴んでしまった。
「いい加減にしろっ!!」
一瀬先生が振り向いた勢いで肘が顔に当たり、私は尻もちを着いてしまった。気づいた時にはもうザーザーと雨が降っている。
「あっごめっ」
「いいんですよ。一瀬先生。このぐらいしないとこの子は分からないんです。時間もないですし、傘も1本しかないので、急ぎましょ」
一瀬先生は朱里先生に引っ張られて鳥居へ向かった。何を怒らせてしまったのか分からない。肘の当たった部分が酷く痛いが幸い目や鼻ではなかったので生活に問題は無さそうだ。
「こめんなさい…」
何に対してか分からない、でも無意識に声が出てしまった。2人で鳥居でお参りしている姿をなくて、私は立ち上がって急いで逃げた。雨の中尻もちを着いたのでスカートが汚くなってしまった。急いで集合場所に戻ると、桜木さんとこうくんが駆けつけてくれた。
全身雨でビショビショになったので、トイレで予備の下着に変えて、こうくんのジャージと桜木さんのタオルを借りた。
2人は何をお願いしたんだろうか。想像したくなくて、私はバスの中で目を閉じた。