暑い夏は冷たい晴に恋をする
と思った矢先、誰かに引き寄せられあっという間に胸の中に入った。
「ちょっと、僕の彼女なんだけど。勝手に連れてかないでもらえる?」
こいつは…この声は!狭山堤先輩!なんでこんなところに!
「天野ちゃん大丈夫?」
はっとすると、もうナンパ男たちはいなかった。っていうか…
「狭山先輩…女の人はどうしたんですか」
「えっなんで女の子といたって知ってるの?」
だって…だって!
「こっ香水臭い…」
はっきり言って臭い。バラの香りが強すぎる。
「ありゃ。帰ったらこの服洗わないとね。ていうか天野ちゃんせっかく連絡先教えたのに何も送ってくれないじゃん」
当たり前です。だって、その日のうちにお風呂で消し去りましたから。もう私の手はピッかピッかです。
「助けて頂いてありがとうございます。じゃあ、私これで」
「まぁ待ってよ。せっかくだし送ってくよ。俺の家もそっち方向だしね」
同じ方向…断る理由もなく、家に向かって2人で歩くことにした。