暑い夏は冷たい晴に恋をする

その顔がどこか悲しそうなのは気のせいなのだろうか。というか、今日のデート正直私は楽しい。でも狭山先輩は作り笑顔というか、あんまり楽しそうじゃない。




「なっ何してるの…?」



先輩がこの前私にやったことですよ。両手で先輩の顔を挟み、私と目が合うようにした。と言っても、私は先輩より背が低いので、下を向かせてしまっているが。



「先輩、私のこと好きって言ってみてください。」



「は?」



我ながら何言ってるんだろうとは思う。でも、女の子慣れしてるとはいえ、今日は先輩に優しくしてもらって、一瀬先生の話を聞いてもらった。



その中で、狭山先輩は私のことを一度も否定しなかったし、笑顔で返してくれた。


たしかにグスがもしれないけど、優しい狭山先輩を私は人として好きになった。人としてね。だから笑って欲しいと思った。ちゃんと笑って欲しいと。



「だって、私今日先輩の、彼女なんですよね?好きって言ってほし〜な〜」


私は、にやにやしながら狭山先輩にお願いしてみる。彼女なら狭山先輩のこと笑顔にしなきゃ。クリスマスだけだけど。


そうだ。少し、びっくりさせてやろう。



「堤くん」


急に名前を呼ばれたことにびっくりしたのか分からないけど狭山先輩は少し目を見開いた。


そのすぐあとだった。先輩は少し困り眉をしてへへっと無邪気に笑った。


これはすごい。破壊力が。普段格好つけている先輩が、こんなに可愛く笑うんだ。女の子みんな死んじゃうよ。


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