暑い夏は冷たい晴に恋をする
「このプレゼント、天野ちゃんが無くさないように俺が預かってただけだから、返すね。」
そう言って、一瀬先生に渡す予定だったネクタイピンを返却された。なんかちょっと悲しい。
「中ちゃんと確認した?どーせ、返されたことに落ち込んでまともに確認してないんでしょ」
中?そう言われ紙袋の中を見ると、プレゼントの端に付箋が貼られていた。
『20時、三角公園』
これは…もしかして…急いでスマホを見ると時間は19時30分。今から向かえば間に合う。でも…
「言ったでしょ。天野ちゃん頑張ったんだから、今日だけは譲るって。」
狭山先輩は優しい人なんだとまた実感した。『20時 三角公園』この文字を何度も見返しては、期待してしまう自分がいる。
「でも今日だけだからね。これからは本気で天野ちゃん落とすから。」
おっ落とすって…こんなイケメンに言い寄られたら、きっと誰でも落ちてしまうだろう。
私以外ならね…。狭山先輩の気持ちを踏みにじるわけじゃない。むしろ、曖昧な態度を取りたくない。
「私は一生、一瀬先生を好きでいるんで!」
正直に全てをぶつけたい。狭山先輩が本気でぶつかってくれたから。
「ひぇー。、厳しいな。」
なんて先輩は言うと『行ってらっしゃい』と手をヒラヒラさせた。