ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「なんだ、釣れたかと思ったのに」

 がっかりしているエドの表情は、今までシアが見たことのないものだった。その表情を見ていると、胸の奥でなにかが動いたような気がする。

(……だめダメ、余計なことは考えない)

 友達から先を望んではいけないような気がした。シア自身、それを望んでいるのかどうかまだあいまいだというところも大きいのだが。

「見てみろ! 僕が一番乗り!」

 最初に獲物を釣り上げたのは、イドリスだった。立派な鯵である。フライにしたらおいしそうだ。いや、この地域だから生で食べるのだろうか。

「私も、一匹目です」

 そのイドリスの横で、さらりと釣り上げたのはシャーミルである。イドリスとは違い、こちらに自慢げなそぶりは見せない。

「やばい、負けるぞ」
「いつから競争になったんです?」

 焦った様子で釣り針を海の中に落とすエドと、釣れるか釣れないかはどうでもいいと言いたそうなヨアキム。こちらもこちらで、いつものペースを崩さないふたりだ。
 そして、残るシアはといえば。

(……釣れない、なぁ)

 シアの竿は、ぴくりともしない。
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