ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
ちゃんと陛下と呼ぶのだ。時と場合と場所の使い分け、これ大事。

「本当?」
「ええ、もちろん。それから、私のことは聖女様ではなく、シアと呼んでいただけると嬉しいです」

 ヴィニーシア・エクスレイ。これが、この国に来た時のシアの名であった。
 けれど、ヴィニーシアはもういない。ここにいるのはシアだから、アンセルムにもそう呼んでほしい。

「シア――シアお姉様って呼んでもいいですか?」
「もちろん、かまいません。殿下のお好きなようにお呼びになってください」
「僕、お姉様が欲しかったんです! 僕のことはアンセルムって呼んでください!」

 シアの手をぎゅっと握っているアンセルムは、邪気のない目でこちらを見上げてくる。
 キラキラとした目でたずねられる。
なにこれ、可愛い。ものすごく可愛い。このまま家にお持ち帰りしたい。今シアが暮らしている場所も王宮だけれど。

「では、私はアンセルム様とお呼びしてもよろしいでしょうか?」

 アンセルムではなく、その後ろにいるエドとヨアキムにたずねると、エドは微笑み、ヨアキムはしぶしぶといった様子でうなずいた。

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