ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
イドリスは網の前で、次の食材を焼くのに忙しい。平和な光景だ。
――もし。
と、考えてみる。エドが国王陛下じゃなくて、最初に知り合った時そのままの冒険者だったら、ふたりの関係は今とは違う形になっていただろうか。
ベラの店でおしゃべりをして、気が向いたら一緒に食事をして。ずっと、そんな風にしていられたらよかったのに。
「どうした? なにか悩み事でも?」
「そういうんじゃ、ないんですけど」
ただ、なんとなくエドの側を離れたくないと思っただけ。それを、シアの口から明言できなくて、逃げるように視線を沖合に向けた。
「あら?」
向こう側から白い手が手招きしているのが見える。海の幽霊――ではなく、人魚達だ。
「人魚だね」
焼きあがった貝を持ってきてくれたイドリスが、シアの視線の方に目を向ける。
「朝も、手を振ってくれたの。イドリスは会ったことある?」
「うん。ほら、一応僕聖人だし」
人魚にとって、聖人聖女というのは、尊敬の対象なのだそうだ。朝、遠くからシアに手を振ってくれたのもその尊敬の気持ちの表れだったらしい。
「あれ? でも」
――もし。
と、考えてみる。エドが国王陛下じゃなくて、最初に知り合った時そのままの冒険者だったら、ふたりの関係は今とは違う形になっていただろうか。
ベラの店でおしゃべりをして、気が向いたら一緒に食事をして。ずっと、そんな風にしていられたらよかったのに。
「どうした? なにか悩み事でも?」
「そういうんじゃ、ないんですけど」
ただ、なんとなくエドの側を離れたくないと思っただけ。それを、シアの口から明言できなくて、逃げるように視線を沖合に向けた。
「あら?」
向こう側から白い手が手招きしているのが見える。海の幽霊――ではなく、人魚達だ。
「人魚だね」
焼きあがった貝を持ってきてくれたイドリスが、シアの視線の方に目を向ける。
「朝も、手を振ってくれたの。イドリスは会ったことある?」
「うん。ほら、一応僕聖人だし」
人魚にとって、聖人聖女というのは、尊敬の対象なのだそうだ。朝、遠くからシアに手を振ってくれたのもその尊敬の気持ちの表れだったらしい。
「あれ? でも」