ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 急に深さがまし、頭の上まで一気に水に包み込まれる。

(……大丈夫だった!)

 地上と全く変わりはなかった。どうなるのだろうとびくびくしていたのが、ちょっとばかりおかしくなるほど。
 隣を見てみれば、エドはしきりに目を瞬かせていた。シアの手を引いてくれた彼も、この状況には驚いているようだ。

「なにしてるの? 先に進むよ?」

 ふと前を見れば、イドリスがそう声をかけてくる。水の中なのに、会話も可能らしい。

「初めてだから、緊張しちゃって」
「地上と違うから、面白いよね」

 笑ってイドリスは、海底を進み始めた。
 人魚のダレンは、イドリスよりさらに先を行っていた。慌ててあとを追う。
 足がつかなくなってからは、手足を使い、水をかいていく。本来の意味での水泳とは違う気もするけれど、たぶんこれがシアの初水泳。
 ダレン達が暮らしているのは、海底に築いた王国だった。ダレンの下に三人の大臣がいるのだという。
 いくつかの国に分かれてはいるが、互いの距離が遠いということもあって、人魚達の間での争いはほとんど起こらないそうだ。

「もし、争いになったらどうするの?」

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