ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 洞窟の周囲は結界が張られていて、海で暮らす魔物が入ってこられないようになっているとダレンは教えてくれた。
 家族単位で暮らす穴が決まっていて、結婚したら空き部屋に入るのが普通。何百年もの間、今用意してある部屋より世帯の数が増えたことはないそうだ。

「我々は子をなすのが難しい一族です。なのに、これでは――」

 結界の中、あちらこちらでぐったりと倒れているのは人魚達であった。
 あまりのだるさに、身体を動かせなくなるという。食事をするのも億劫なようで、このままでは栄養が取れずに死んでしまうということだった。

(……簡単に治せると言えば治せるんだけど)

 シアとイドリスのふたりがそろえば、だるさを回復させるくらいのことはできそうだ――けれど。頭の中では、激しく警鐘が鳴り響いている。このまま、シアが治すだけではだめだ。

「ねえ、イドリス――」
「うん、ただの病じゃなさそう」

 もし、ここでシア達が治したとしても、それは一時のこと。すぐに再び、同じような症状が発生するのが目に見えている。元凶を叩かなければ。

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