ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
(どうか、ふたりとも無事に戻ってきますように――!)

 剣の稽古をしておいたらよかっただろうか。そうしたら、エドと一緒に行くことができたのに。
 心臓は痛いほどにドキドキとしていて、シアを悩ませる。
 どうか、どうか、無事に戻ってきてほしい。
 エドとヨアキムが、そんじょそこらの冒険者では太刀打ちできないほど強いとか、女神の加護を与えたのだから大丈夫なはずとか。そんなことは完全にシアの頭から抜け落ちていた。
 こうやって、ふたりの帰りを祈りながら待つしかないのがもどかしい。
 

 * * *

 

「全く、マルにも困ったものだな」

 ヨアキムに向かってエドはそう言ったけれど、本音で言ってしまえば悪い気はしなかった。マルがエドにこの役をあてがったと言うことは、エドとヨアキムにしかできないことだったのだろうし。

「あなたを便利に使われるのは困りますがね」

 と、ヨアキムは渋い表情だが、彼がこういう表情をするのは珍しくもない。

「……この景色が、失われるのは困るだろ」
「それには、同意しますけれども」

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