ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 魔物はゆっくりと首を巡らせた。ぎょろりとした目が、エドをとらえる。それを確認し、手にしていた剣を構えた。

(この中では、切る動きは向かない。有効なのは、突くことだけ)

 ヨアキムもまた、剣を構えている。水中では、彼の魔術は向かないと判断してのことだろう。

「右から行く!」

 一言だけ告げれば、うなずいてエドに続いてくる。
 魔物の首が揺れ、エドをとらえようとした。

(思っていたのと違う、な――!)

 水をかいて後方によけるものの、陸上よりずっと動きが鈍い。次の攻撃も同じようにしてかわし、魔物の長い首に近づく。
 素早く突き出した剣が、魔物の首をとらえた。深々とささった剣を引き抜き、そのまま向きを変える。

「先に行ってください!」
「わかった!」

 エドの踵、すぐ下で魔物の牙が打ち合わされる気配がした――とそこへ、ヨアキムが魔術を叩き込む。
 魔物の前方に、氷の槍が作り出された。水中で放たれたそれは、陸上で放たれたよりだいぶ速度は遅かった。甲羅の中に魔物が頭を引っ込めて、その攻撃をやり過ごす。
 その間にふたりは背後を気にしながら、海面へと進んだ。

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