ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「きゃあっ!」

 腕を引いたのはイドリスだった。大きく後方に彼が飛びのき、一緒にシアも抱え込まれて砂浜に転がった。あいたところへ、エドとヨアキムが降ってくる。
 続いて海を割って、大きな山が姿を見せる。着地と同時に地を蹴ったエドとヨアキムは、すぐに海の方に向き直った。
 海の中で見たよりずっと魔物は大きかった。硬そうな甲羅、長い首。首には傷がつけられていて、そこから赤い血が滴っていた。

「弓! それから魔術!」

 エドの声がする。魔術師達が一斉に炎の矢で攻撃し、弓攻撃を得意とする者達も次から次へと矢を放つ。

「グルァァァァッ!」

 低い声で唸ったかと思うと、魔物は左右に首を振り、攻撃を避けようとする。どうやって甲羅の中に収納するのか、シュルリと首を縮めて中に潜り込んだ。
 太い尾が左右に振られ、慌てて冒険者達は飛びのく。

「……思っていたより速い!」

 海の中にいたのだから、もっとのそのそと動くものだと思っていた。だが、それはシアの思い込み。魔物の動きは俊敏で、油断していると跳ね飛ばされてしまいそうだ。
 再び、魔物が甲羅から頭を出す。

「――え、援護しますっ!」

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