ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 たぶん、一度目の人生でのシアはアンセルムと同じことを考えていただろう。
 二回目の人生以降では、母を恋しがることもなかった。彼女達がシアのことをどう思っていたのか、事前に知ってしまっていたから。
 けれど、イリアはアンセルムにとってはいい母親であったはず。アンセルムに対する愛情は、シアにもちゃんと見えていた。

「イリア様のところに届くまでに傷んじゃうから、そのままお持ちするのは難しいですねぇ……」
「そっか」

 シアの言葉に、ますますアンセルムがしょぼんとしてしまう。あまりよくないかなと思いながらも、つい続けてしまった。

「実物を送るのは難しいですけれど、レシピならお渡しできます。次に、お手紙を送る時にレシピを送ってみてはどうでしょう?」

 幽閉の身ではあるけれど、元王族に対して食事の制限などはしていないはずだ。
 毎日贅を尽くしたティータイムを過ごすのは無理でも、たまに甘いものを摘まむのは許されるだろう。

「そっか、そうしたら母上と同じものが食べられるね! ありがとう、シアお姉様!」
「いえいえ」

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