ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「こういうお店は、慣れてはいませんから」

 シアひとりで入るのは、ちょっと気が引ける。なじみの店なら、そんなことはないのに。

「そうか?」
「そうですよ。いつも、決まったお店にしか行きませんもん」

 リスヴェンで、シアがひとりで行く店というのは決まっているから、他の店に入るだけで緊張してしまう。
それに、こんな風にエドと差し向かいで座るのは、久しぶり。
 ドキドキしているのには、気づかれませんようにと祈る。
 ただ、差し向かいでお茶を飲んでいるだけなのに、場所がシアの暮らしている離宮ではないだけで、こんなにもドキドキするなんて。
 今日は本当に助かった、ともう一度口にしたエドとは別れて別々に王宮に戻ることにした。
 シアは以前作った穴からこっそり出入りしているが、エドはエドで彼だけが使える裏口があるらしい。
 万が一、なにかあった時のために別々の方がいいという事情もある。まあ、シアとエドを同時に相手にしようなんて人もなかなかいないだろうけれど。

「ねえ、マル。もうちょっとプラプラしてから帰ろうか」
「それはかまわないけど、どうしたの?」
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