ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 リスヴェンはいつも、多数の人が行き来している。聖女の祠にいた頃は、そんなに多数の人と顔を合わせる機会もなかったから、街中に出る度に「お祭りみたいだな」と思ってしまう。そう考えること自体、田舎者の証拠みたいだけれど。

「そろそろ、新しいスカートが欲しいのよねぇ」
「僕が作ってあげたのがあるのに?」
「そういう設定よ、設定。なにが欲しいのか決めないと、どんなものを探せばいいかわからなくなるでしょ?」

 今、シアの持っている服は、三通りの入手手段によって得たものだ。
 妹のお下がりをマルが手直ししたもの、この国で暮らすようになってすぐ〝国王エヴァンドロ〟から支給されたもの。そして、魔物退治の褒賞として贈られた品だ。
 買い替える必要はないけれど、なにか目当てがなければ店を回るのも気が引ける。いい品があったら、実際に買ってもいいし。今のシアは、なかなかのお金持ちなのだ。
 リスヴェンの中央にある広場。その広場から少し離れたところにベラの店がある。早めに仕事を切り上げた人達が、帰宅前にどこかに遊びに行こうとしていた。

「あ、アロイスさんだ」
「あいつキライ」

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