ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 いくらアンセルムがいるとはいえ、エドの子孫が皆無なのはまずい。十二歳まで貴族の家で育ってきたシアだからこそ、なんとなくわかる。
 エドの婚姻は、急いだ方がいい。いや、急ぐべきだ。
 今、この国にいて王族と呼べるのはエドとアンセルムくらい。探せば王位継承権を持つ人は見つかるかもしれないけれど、遠い血筋の人になってしまう。

「どうしたのかしらね、私」

 ただ、すれ違った人達のしていた噂話が、耳に飛び込んでしまっただけなのに。

「ねえ、シア。君の人生は十一回目だけど、普通の女の子として歩むことができているのは今だけなんだ」
「その割に大冒険ばかりだけれど」

 マルは真剣だったけれど、シアは冗談めかした口調で返す。そうしていたら、今の状況が少しはましになるのではないかと思った。

「もう、茶化さないの!」

 ぺしっと前足で叩かれる。小動物の力なので、痛みは全く覚えなかったけれど、マルがシアをぴしゃりとやるのはめったにあることではない。

「僕が言いたいのは、君が人とのかかわりを実感しているのは今回だけだってこと」

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