ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 彼はくどくどと言葉を重ねるが、要は悪夢を見て、毎晩うなされ、眠りが浅いのだという。同じような症状は、かつてのエドにも見られたものだ。

「ですから、私は呪われていると思うのです。どうか、聖女様のお力で解いてはいただけないでしょうか」
「承りました。ですが、あなたの場合は呪われているというわけではなさそうです。精神の疲れが、そのような悪夢を呼ぶのでしょう」

 と、微笑みながら返しつつも、頭の片隅では聖女を見たかっただけだろうなーと考えている。

(あの祠にいた時とはまるで違うわね)

 聖女でありながらも呪われていると言われていたシアには、呪いを解いてもらうために近づく人はいても、呪いを装ってまで近づこうという人はいなかった。あの頃は、シア自身には利用価値もなかっただろうし。

「ですが――」
「夜ぐっすり眠れば、悪夢も遠ざかると思います。あなたには、これを差し上げましょう」

 シアが彼に手渡したのは、ベラの店で扱っているハーブティーであった。薬草を中心とした材料に魔力を流してポーションを作るのは、ポーション職人にしかできない。
< 197 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop