ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 ベラの店は、エドとシアとヨアキムが顔を合わせる場としても使われていた。エドがしばしば南の離宮を訪れると、いろいろと勘繰る人もいるからだ。

「マルはどうした?」
「ここにいるよぅ」

 エドに名を呼ばれたマルが、カウンターに並べられていた瓶の間から顔をのぞかせた。頬が丸く膨れているのは、昨日焼いたクッキーをもしゃもしゃとやっているからだ。

「なにかありました?」
「いや、別に――アンセルムと仲良くしてくれてありがたい」
「それは、私も楽しいので。アンセルム様、とっても可愛いですから」

 顔立ちが整っているというのもあるのだろうが、アンセルムの愛らしさには思わず頬が緩んでしまう。

「だろ? 俺もそう思っているんだ」

 エドもアンセルムには弱いらしい。あんなことがあったとはいえ、兄弟仲が良好なのは幸いである。

(きっとエドさんも、子供の頃は可愛かったんだろうな……)

 たぶん、エドも子供の頃はアンセルムのような愛らしさを持っていたのだろう。ちょっと見てみたかったような気がする。

「アンセルムが迷惑をかけていないか?」
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