ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 彼の手にあったのは、イドリスからの手紙である。なにかまた、トラブルでもあったのだろうか。思わず眉間に皺を寄せる。

「そんなんじゃない。人魚の長――ダレンからの礼を届けに来るそうだ」

 人魚は陸上に上がることはできないから、ダレンはイドリスに託したらしい。
 イドリスは貴族との対応をどうやってこなしているのだろう。シャーミルがいるから、あまり苦労はしていないかもしれないが、イドリスが来たら話を聞くことができるかもしれない。
 シアと同じような立場にある人は、そう数は多くないから、イドリスに会って直接話を聞くことができるというのは貴重な機会であった。

「――シア」
「あっ、すみません」

 ぼうっと考えていたから、目の前にいるエドを失念していた。うっかりこんなところで自分の考えに沈み込んでしまうなんてどうかしている。

「疲れてるんじゃないか? ちょっと見せてみろ」
「うえっ」

 急に頬に手が当てられ、彼の方に向きを変えられる。顔に触れられるなんて、想像すらしたことなかったから、妙な声が漏れた。

(や、違う、そういうのじゃなくて)

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