ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 思わず口を挟んだら、アンセルムの目が輝いた。やっぱり、甘いものには惹かれるらしい。たしかに、彼は今日頑張ったから、ご褒美があってもいい。

「じゃあ、今日焼いたパイも出すよ。陛下、そのくらいはいいだろ?」
「マル……パイだけだぞ、他にクッキーやタルトやマドレーヌなんかを追加しようとするな」
「え? それはもっと出せっていう催促?」
「違う!」

 普通の人間よりずっと小さなマルと、本気でやり合っているエドの様子が、シアだけでなくヨアキムやアンセルムにまで笑いを運んでくる。

「それなら、私とマルで用意しましょう。厨房、行ってきますね」

 たしかにご褒美は必要だ。お茶の用意くらいはしよう。
 アンセルムにはココア、それから大人達には紅茶。夜遅いから、ミルクもたっぷり使えるようにしておく。
 さすがに、パイだけでいいだろう。今日焼いたアップルパイをそれぞれの人数分切り分けて皿に載せる。ワゴンにお茶の道具を載せてガラガラと押して戻ったら、エドが扉を開いてくれた。

「遅い時間に悪いな」
「いえいえ、このくらいは」

< 241 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop