ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 シアは様子をうかがうが、アンセルムは物珍しそうにきょろきょろしているだけ。恐怖を覚えている様子は見受けられない。

「シアお姉様、すごいね!」

 むしろ、こういった場に出るのが初めてだから、わくわくしている方が大きそうだ。
 遺跡は、以前来た時からさほど変化していないようにシアの目には映った。
 あれから、調査の手が入ったとは言うけれど、今は学者達も皆引き上げている。
 魔物が生息している様子も見受けられないことから、必要な警戒はするにしても、以前よりもずっと早く進むことができた。

「兄上、ここでは、たくさんの人が暮らしていたんでしょうね」
「――そうだと思う。家族で暮らしていたような痕跡も残っているからな」

 アンセルムが物心ついた頃には、エドはもう呪われていたから、こうやってエドと一緒に出かけた記憶もほとんどないのだろう。
 これから、なにが起こるかわからないというのに、アンセルムははしゃいだ様子を見せている。先頭を行くエドにじゃれついてみたり、少し後ろに行ってみたり。
 マルがアンセルムの肩に乗っているから、多少のことなら問題ないはずだ。

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