ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「あー、それはそうですよねえ。私、そのあたりの認識が薄いんですけど」

 なにしろ、人生の大半は聖女の祠だった。
 そんなわけで、シアとしてはセアルド王国の民という認識がさほど強くないのである。
 もちろん、シアが祈りを捧げていたのは、民を守るためであったけれど、自分がその一員であるという認識は薄かった。
 どちらかと言えば、ガラティア王国の民であるという認識の方が強いかもしれない。
 ベラを筆頭に、この国に来てから知り合った人の方がはるかに多い。シアが、大切にしたいと思う人達も皆、この国に住んでいる。

「――陛下に近づくなと言ったことを覚えていますか?」
「その通りにしているつもりですけど、近すぎます?」

 エドとは友人の距離を保っているつもりだ。そう言ったら、ヨアキムは信じられないというようなため息とともに天井を見上げた。

「でもまあ、俺が言ったところで、ふたりとも聞かないんでしょうね! まあいいですけど!」

 なにがいいのか、わからない。ヨアキムは、真剣なものへと表情を改めた。

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