ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
黒い髪に黒い瞳。ルイダーン王国風の衣服に身を包んでいる。
文句なく整った顔に浮かんでいるのは邪気のない微笑み。背はシアより高いけれど、まだ華奢な体格だ。十八歳のシアより一歳か二歳、年下というところだろうか。
「やっと会えた――ヴィニーシア! ヴィニーシア・エクスレイ嬢。僕と結婚してください!」
なのに、馬から降りるなり、膝をついてのプロポーズ。
たいていの女性なら、一度や二度、夢見たことがあるはずだ。十回も人生を繰り返したシアも、最初のうちは夢見たことがあった気がする。今は夢も希望も持ち合わせていないけれど。
けれど、実際プロポーズされてみると、現実味がないどころか、どう対応したものか狼狽えてしまう。
「ど、どなたでしょう?」
「僕だよ僕! やだなあ、もう。つれないなあ! 僕のことわからない? イドリス・ソレール、君の文通相手だよ!」
「あ、ああ……イドリス、なのね?」
会うのは初めてだが、名前には覚えがある。
イドリス・ソレール。
ガラティア王国の南にある、ルイダーン王国の聖人である。かなりの力の持ち主であるが、瘴気の浄化よりは呪いを解呪する方が得意だ。
文句なく整った顔に浮かんでいるのは邪気のない微笑み。背はシアより高いけれど、まだ華奢な体格だ。十八歳のシアより一歳か二歳、年下というところだろうか。
「やっと会えた――ヴィニーシア! ヴィニーシア・エクスレイ嬢。僕と結婚してください!」
なのに、馬から降りるなり、膝をついてのプロポーズ。
たいていの女性なら、一度や二度、夢見たことがあるはずだ。十回も人生を繰り返したシアも、最初のうちは夢見たことがあった気がする。今は夢も希望も持ち合わせていないけれど。
けれど、実際プロポーズされてみると、現実味がないどころか、どう対応したものか狼狽えてしまう。
「ど、どなたでしょう?」
「僕だよ僕! やだなあ、もう。つれないなあ! 僕のことわからない? イドリス・ソレール、君の文通相手だよ!」
「あ、ああ……イドリス、なのね?」
会うのは初めてだが、名前には覚えがある。
イドリス・ソレール。
ガラティア王国の南にある、ルイダーン王国の聖人である。かなりの力の持ち主であるが、瘴気の浄化よりは呪いを解呪する方が得意だ。