ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 アンセルムは、エドが思っていたより、シアが思っていたよりずっと大人だった。自分の運命をきちんと受け止めることができている。

「僕は、母のやり残したことを受け継ごうと思います。兄上、それを許してはもらえませんか――? 必要なら、王籍を離れることもいといません」

 それはわずか十の子供が口にするには、あまりにも重い言葉だった。エドはぐしぐしと頭をかき回し、ヨアキムは両手で頭を抱え込んでしまう。

「アンセルム様、アンセルム様はなにがしたいんですか?」

 アンセルムがヴォラスに力を与えようとしているのなら、シアは全力で止めねばならない。シアは、女神に仕える者だから。

「長い間、女神レウマリアは封印の中でヴォラスの心を慰めてきました。けれど、神を信仰する者がいなければ、神の存在は消えてしまう。そうでしょう?」
「え、ええと……?」

 シアは考え込んだ。
 ヴォラスを信仰する者がいなければ、ヴォラスは消えてしまう。それは、悪いことではないような気がした。

「ヴォラスがいなくなると困る……のかな……?」

 考えながら、半分ひとりごとみたいにつぶやく。
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