ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 離宮にいるのに、誰も会いに来ないというのは久しぶりである。

「どうする? 掃除は」
「もう僕がやっといた」
「洗濯」
「それも終わった」
「そろそろお昼ご飯――」
「まだ早い」

 根が貧乏性なのか、こうやって丸一日休みになってしまうと不安だ。なにもやらなくていいというのが、こんなに不安になるなんて。

「なにもしないって、逆に落ち着かないわね……!」
「そう? 僕はけっこう楽しいけど」

 結局、厨房でクッキー生地を作り始めている。マルに作ってもらえば一瞬なのに、わざわざ手を動かしているのは考える時間が欲しいから。

(……あれから、一か月)

 不意に思うのは、先月のこと。アンセルムの依頼を受けて、手紙を飛ばした。昨夜は、あれ以来初めての満月だ。
 手紙が届いたのかどうか気になるけれど、シアはそれを追求できる立場にはない。

「……なに考えてるのさ?」
「うーん、私はなにもできないっていうのがちょっと寂しいって感じかな」

 今の気持ちを、上手に説明するのは難しいと思う。
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