ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 百年前と比べると、封印の力は確実に弱くなっている。瘴気の現れる頻度が近頃高くなっているのは、そのためもあるのだろう。いつまでも現状を維持できるはずもない。

「長い間、私達が調べてきたことがあります。アンセルム殿下のご協力もいただきながら、力を尽くします」

 最初の問題は、彼女達の生活の場をどうするのかということ。エドの提案は、シアの予想をはるかに超えたものだった。

「ザウドの近くに、発見された遺跡がある。その遺跡の近くで暮らすというのはどうだ?」
「居場所をくださるのですか?」

 エドが提案すると、リーヌはまたもや目を丸くした。
 あの場所は、かなり不便である。少なくとも、街から半日山を登らなければいけないのだから。
 食糧の調達だって、当時は非常に苦労してやっていたのだろうけれど、半日かけて運び上げるのでは効率が悪すぎる。グリフォンに積むことのできる量も限度はあるし。
 あの遺跡が放棄されたのは、近くに他の人達が住む町ができたかららしい。それまでの間は、ひっそりと暮らしていたのだそうだ。

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