ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 一通り見学を終えたところで、リーヌはエドに一本の小瓶を差し出した。シアが、ポーションを入れているのによく似た瓶だ。

「なんだ、これは?」
「意中の女性の心を、陛下に向けることができる魔女の秘薬でございます」
「――は?」

 側で黙って話を聞いていたシアは思わず目を向いた。意中の女性の心をエドに向けることができる秘薬って――そんなの、一般流通させたらまずいではないか。

(あれ、でも……)

 エドはまだ独身。
 お見合いを繰り返しているというから、まだ意中の人はいないのだろう。となると、エドには必要なのだろうか。

「いや、シア落ち着いて? あれ、普通は禁止されてる薬だからね? ――って、あくまでもおまじないレベルのもので効力はなさそう」

 シア同様、一瞬目を見開いたマルだったけれど、すぐに落ち着きを取り戻した。
 どうやら、リーヌの差し出している薬は、効果がほとんどないようだ。
 おまじないレベルというのなら、まあ、気休めみたいなもの。信じるも信じないも使う人の心ひとつというわけだ。

「――それはいらない!」

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