ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 肩に飛び乗ったマルが、シアに向かってそうささやく。
 エドと一緒がいいというのは、シアのわがままだ。それはちゃんとわかっているから、シアもそれ以上のわがままは言わず、隣にあるイドリスの部屋の扉を叩いたのだった。
 

 * * *

  

 扉の前に立ったエドは、周囲の様子に気を配る。ヨアキムは、屋根の上を確認してくると言って、外に出て行った。
 こうやって、護衛の任につくのも久しぶりだった。
駆け出し冒険者の頃ならともかく、ここ数年は呪いに身体を蝕まれていたので王宮を離れる機会も多くはなかった。

(アンセルムは、きちんと勉強をしているかな――)

 周囲の気配には注意を払いながらも、天井を見上げて思うのは異母弟のこと。彼には、母親の罪は知らせていない。
 ただ、病気が悪化して遠くに行くことになったと告げただけ。
 会いたいと言われるかと思ったが、今のところアンセルムの方から会いたいと言ってきたことはなかった。
 手紙のやり取りは許しているが、アンセルムの手元に届ける前に中身の確認はしてある。
< 57 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop