ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 エドへの手紙に同封されていたと言って渡せば、便箋だけ渡しても不審がられることはなかった。

(今のところ、当たり前のやり取りしかしていない)

 イリアも、自分が捕らえられているとは一言も書いてこなかった。
 彼女の手紙に書かれているのは、あまり体調がよくないのでしばらく戻れそうにないという嘘と、アンセルムのことを気遣う真実だけ。
 アンセルムのことを愛していたから、自分の口からは余計なことは言わないことにしているのだろう。
 彼女の罪は許せないが、アンセルムがそれに向き合うのはまだ少し早い。せめて、成人に達するまでは今のままでいようと思う。

「エドさん達も、少し休んでくださいね?」
「もちろん。ヨアキムと交代で休みは取る」

 食事を終えたらしいシアが部屋から出てきた。イドリスとどんな会話をしたのか、気になってしかたない。自分にそこを問うことはできないとわかっているけれど。

「僕がいるんだから、そこまで警戒する必要はないのにさあ」

 シアの肩の上にいるマルが、不服そうに鼻をうごめかす。
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