ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「や、それもあるんだろうが、今、この時期にわざわざ会いに来るってなんかあるんじゃないか」
「顔が怖くなっていますよ」
「――うるさい」

 彼の目的がわからないから、不安になる――シアが、どこかに行ってしまうような気がして。
 

 * * *

 

 翌朝は、綺麗に晴れ渡っていた。
 遺跡の調査なんて、初めての経験だ。わくわくし過ぎるべきではないとわかっているのに、つい、わくわくしてしまう。
 十一回目の人生だけれど、十回目までは瘴気を浄化したり呪いを解いたりするだけだった。こんな新しい経験ができるのは今回だけだ。

「ポーション持ったでしょ」

 ポーションがなくても、回復魔術ならどうにでもなるけれど持っておいた方がいい。

「靴もオッケー」

 靴紐はしっかりと結んだ。途中で解けてしまっては困る。持ち物のないマルは、室内をパタパタと飛び回っていた。

「シア、お弁当は?」
「持った!」

 宿の人が作ってくれたお弁当――これ大事――も忘れず持った。
 さて、遺跡の探索だ。最初はとてもわくわくしていたのだけれど。
 ――ザウドを離れて二時間後。シアは、すでにぐったりとしていた。
< 60 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop