ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「こんな山の上にあるなんて聞いてない!」
出発前のわくわくはどこに行ったのやら、二時間前のうきうき気分は完璧に消し飛んでいた。肝心の遺跡というのが、とにかく不便な場所にあるのである――岩山の上の方だ。
遠くからでも、登るのは難儀そうだなと思っていたのだが、予想の数十倍、大変だった。
「おぶってやろうか?」
先頭を歩いていたエドが、ふり返った肩越しに真顔でたずねてくる。そうしてもらったら楽だろうけれど、自分の足で歩かないのはなにか違う。
「いえ、大丈夫――歩きます。イドリスは平気なのね」
「うん。僕は、いろいろなところに行って呪いを解くのも仕事からね。動けない人のところまで行けないと困るだろ。だから、身体を鍛えたんだ」
瘴気の浄化が苦手な分、イドリスは呪いの解呪を頑張った。いつの間にか、ルイダーン王国一の腕を持つと言われるまでになった。
(だから、私も、イドリスのところに行きなさいって言ったんだけど……)
五度目の人生。シアのところに助けを求めてやってきた呪われた冒険者。それは、エドが変装したものであった。