ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「――イドリス様。あまりちょろちょろしないでいただけます? 緊急時に対応するのが難しくなりますよ。ここは、ほとんど誰も足を踏み入れていない遺跡だということを忘れては困ります。ガラティア王国の方々に、迷惑をかけたいわけではないでしょう?」
「あ、ごめん」

 軽い様子ではあったけれど、イドリスはすぐに謝罪した。
 先頭を歩いているエドは、シアには思いもよらないほど強く、周囲を警戒しているのだろう。彼の邪魔になってしまったかもしれないと、少しばかり反省する。

「ごめん、僕もつい――めったに見ない技術だからさ」

 シアの肩で、マルも頭をかいている。マルがこんな風になるのも珍しい。エドが肩越しに視線を投げかけてくる。

「怒っているわけじゃない。落ち着いたところで、ゆっくり話をすればいい」

 遺跡の中は、長い間誰も足を踏み入れなかったとは思えないほど綺麗だった。山の中にある洞窟だが、じめじめしているということもない。
 どう見ても人為的に山中を掘り進めたもので、通路の左右には出入り口がある。木庭の扉がつけられていて、その向こう側をうかがうことはできなかった。

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