ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 まだ手足をバタバタさせているイドリスを引きずって、シャーミルは別荘の前に停めてあった馬車の中にぽいっと放り込んだ。外から鍵をかけてしまい、イドリスが出てこられないようにする。
 それから、シア達の方に戻ってきたかと思ったら、四つ折りにした紙をエドに差し出す。

「イドリス様がお気に入りの屋台を何軒かリストにしました。朝食にはよろしいでしょう」
「お、おう……感謝する」

 いえ、と一礼したシャーミルは、まだ中から「出せ」とか「僕も一緒に行く」とか、騒がしい声のする馬車の方に向き直った。シャーミルの合図とともに、馬車はゆっくりと動き始める。

「……よかったのかしら」
「イドリスには、イドリスの仕事があるだろうからな」

 思わずポツリとつぶやくと、エドも小声で返してきた。
 まだまだ車内がやかましい馬車を見送ってから、こちらも移動を開始する。

「俺は少し離れたところからついていきます。マル、お願いできますよね?」

 ヨアキムは、少し離れたところから警護をするらしい。
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