ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 たしかに冒険者をふたりも連れて歩いていたら目立つ。今のシアは、一般庶民でしかなく、護衛を連れて歩けるような身分ではないのだから。
 ヨアキムがマルに頼んだのは、シアではなくエドの身の安全についてだろう。

「シアの大切な友達だからね。そのくらいはかまわないさ」
「助かります」

 マルに対するヨアキムの信頼は、シアが思っていた以上に高いようだ。もしかしたら、シアに対する信頼よりも強いかも。

「行くか?」

 シアの方に向き直ったエドが、手を差し出してくる。その手を見つめ、シアは固まった。

(……どうしたら)

 どうするのが正解なのだろう。

「ねーねー、早く行こうよ。僕、おいしいものが食べたいな」

 シアの肩に乗ったマルがねだるのをきっかけにして、エドの手に自分の手を重ねてみる。
 彼の手は、シアの手よりもずっと大きかった。あちこちに剣だこができていて、ごつごつとしている。
 そんな手にすっぽりと包まれてしまうと、安心感を覚える。エドに手を引かれるままに、まだ人通りの少ない道を歩き始めた。
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