離婚前提から 始まる恋
「うん、美味い」
どんな高級ホテルで食べるモーニングよりも、花音の用意してくれた食事が美味いと思うのは、きっと俺の胃袋が花音に捕まってしまったってことだろうな。
そう言えば、花音の実家で出てくる食事もやたらとうまかった。
学生時代から、花音の兄である若狭真也とは仲が良くて、長期の休みを利用してよく遊びに行ったものだ。
東京から少し離れて自然が豊富なのも魅力だったが、目的の半分は真也の家で出てくる料理だった。
「パン、もっと食べる?」
すでに花音のお皿からベーコンをつまんでいる俺に、足りなかったのだろうかを心配そうな顔をする花音。
「いや、これで十分だ。それより、花音はもう食べないのか?」
見ればサラダと卵に少し手を付けただけで、ほとんど減っていない。
「うん、あんまり食欲が・・・」
「そう言えば昨日は飲み過ぎたんだったな」
「それは・・・」
シュンと、花音が下を向いた。
「拓馬君だっけ、あいつが飲ませたのか?」
「違うわ、そうじゃない。私が悪いの」
慌てる花音がかわいい。
それにしても、『拓馬君』ね。一応調べてみるか。
どんな高級ホテルで食べるモーニングよりも、花音の用意してくれた食事が美味いと思うのは、きっと俺の胃袋が花音に捕まってしまったってことだろうな。
そう言えば、花音の実家で出てくる食事もやたらとうまかった。
学生時代から、花音の兄である若狭真也とは仲が良くて、長期の休みを利用してよく遊びに行ったものだ。
東京から少し離れて自然が豊富なのも魅力だったが、目的の半分は真也の家で出てくる料理だった。
「パン、もっと食べる?」
すでに花音のお皿からベーコンをつまんでいる俺に、足りなかったのだろうかを心配そうな顔をする花音。
「いや、これで十分だ。それより、花音はもう食べないのか?」
見ればサラダと卵に少し手を付けただけで、ほとんど減っていない。
「うん、あんまり食欲が・・・」
「そう言えば昨日は飲み過ぎたんだったな」
「それは・・・」
シュンと、花音が下を向いた。
「拓馬君だっけ、あいつが飲ませたのか?」
「違うわ、そうじゃない。私が悪いの」
慌てる花音がかわいい。
それにしても、『拓馬君』ね。一応調べてみるか。