離婚前提から 始まる恋
今夜はお酒を飲むつもりはなくて、杏と食事をするだけ。
勇人は遅くなると言っていたからあえて連絡はせず、早めの時間に帰るつもりでいた。
しかし・・・

「遅くなったわね。旦那さん大丈夫?」
レストランを出て大通りを歩きながら、杏が私を振り返る。

時刻は、いつの間にか10時を過ぎている。
普段なら絶対にこんな時間まで出歩いていることはないんだけれど、今日はなぜが帰りたくない。

「仕事で遅いって言っていたから、まだ帰っていないと思うわ」
「そう、ならいいけれど」

今頃勇人は里佳子さんと一緒のはず。
そう思うと気持ちは沈むばかり。
こんな思いをするくらいなら、いっそのこと別れた方がいいのかもしれない。
でもなあ・・・

「花音、帰りたくないならうちに来る?」
「え?」

まずいな、気持ちが態度に出ていたらしい。

「心配かけてごめんね。でも大丈夫。」

さあ家に帰ろう。
いつまでもこうしていたって仕方がない。
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