離婚前提から 始まる恋
別れる時くらい素直になって、「勇人のことが好きだよ」って、伝えるつもりだった。
そのことで自分の気持ちを消化できると思っていた。
でも、告白もできないまま私たち夫婦は終わってしまう。
そう思ったら悲しくて、無言のままミルクティーを飲み終えてコーヒーショップを出た。


「体、本当に大丈夫なのか?」
「うん」

私はマンションへは帰らず杏の家に泊まることにした。
勇人も無理に止めることはしない。
アパートの前まで戻ってきて、私達はもう一度向かい合った。

「今夜はこのまま帰るから、明日はマンションに帰ってきてくれ」
「それは・・・」
わからない。

「そんなに俺の側にいたくないのか?」
「違うっ」
そんなわけないじゃない。
「じゃあ、」

何なんだよって言いたいのだろう。
勇人の顔は少し高揚して見える。
でも、私だって叫びたい気持ちを押さえている。
勇人にはわからないだろうけれど、私だって我慢をしている。
これ以上ここにいると何を言い出すかわからない私は、くるりと勇人に背中を向けた。

「おやすみなさい」
そう言って歩き出した時、
「花音、なんでお前はそうやって逃げるんだっ」
怒りのこもった勇人の言葉が背中に投げかけられた。
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