離婚前提から 始まる恋
「私は、かわいらしくて、素直で、みんなから愛されている花音さんのことがずっとうらやましかったんですよ」
「そんなあ・・・」

私からすると、綺麗でかっこよくて、仕事もできて、自分で自分の人生を歩いている里佳子さんに憧れていた。

「だってほら、花音さんが困っているとすぐに誰かの助け舟が入るでしょ?勇人とか、MISASAの専務とか、若狭君とか」

若狭君って兄のことよね。
そう言えば花音さんは兄とも大学の同期だった。

「私なんて誰も助けてくれないのに、花音さんにはすぐに助けてくれる人が現れる」
「それは、里佳子さんが自分で打開していける人だからです」

私みたいな人間は一人では何もできない。
だから、みんなに助けられて生きていくしかない。

「私だって、本当は花音さんみたいに生きたかった。だから、意地悪をしてしまいました。ごめんなさい」
里佳子さんは私に向かって頭を下げた。

「やめてください」

勝手に誤解したのも、勇人に確認もせずに妄想を膨らませたのも私の方で、里佳子さんだけが悪いわけではないと思う。
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