離婚前提から 始まる恋
「僕は社長と少し話があるから、君は少し休憩していなさい」
パーティーも終盤を迎えた頃、尊人さんは一人で私の前から去って行った。
これもきっと、私の体を気遣ってのことだろうと思う。
秘書として、上司に気を遣わせるなんてもっての外。
そんな事は私にだってわかっているけれど、尊人さんが善意で言っているとわかるからには文句の言いようもない。
「何かありましたらお声がけください」
去って行く背中にぺこりと頭を下げてから、私は会場の壁際に置かれた椅子に腰を下ろした。
「ああ、疲れた」
周りに誰もいないことを確認して、思わず声が出る。
自分では自覚していないうちに気を張っていたようで、椅子に座り込んだ途端一気に脱力した。
やはり人込みは神経を使ってしまう分、疲労感が半端ない。
尊人さんのような社交的な人なら平気なのかもしれないけれど、引っ込み思案の私や、あまり社交的とは言えない勇人には楽しい仕事ではない。
もちろん仕事である以上は慣れないといけないことではあるんだけれど・・・
そう言えば、今日は勇人もこの会場にいるはずだ。
ビルの建設指揮をとったのが三朝建設だし、そこの副社長として出席しているからには尊人さんのように来客の応対に追われているはず。きっと苦労しているんだろうな。
そう思って辺りを見回した。
パーティーも終盤を迎えた頃、尊人さんは一人で私の前から去って行った。
これもきっと、私の体を気遣ってのことだろうと思う。
秘書として、上司に気を遣わせるなんてもっての外。
そんな事は私にだってわかっているけれど、尊人さんが善意で言っているとわかるからには文句の言いようもない。
「何かありましたらお声がけください」
去って行く背中にぺこりと頭を下げてから、私は会場の壁際に置かれた椅子に腰を下ろした。
「ああ、疲れた」
周りに誰もいないことを確認して、思わず声が出る。
自分では自覚していないうちに気を張っていたようで、椅子に座り込んだ途端一気に脱力した。
やはり人込みは神経を使ってしまう分、疲労感が半端ない。
尊人さんのような社交的な人なら平気なのかもしれないけれど、引っ込み思案の私や、あまり社交的とは言えない勇人には楽しい仕事ではない。
もちろん仕事である以上は慣れないといけないことではあるんだけれど・・・
そう言えば、今日は勇人もこの会場にいるはずだ。
ビルの建設指揮をとったのが三朝建設だし、そこの副社長として出席しているからには尊人さんのように来客の応対に追われているはず。きっと苦労しているんだろうな。
そう思って辺りを見回した。