離婚前提から 始まる恋
「すみません。あっ」
「危ないっ」
慌てて立ち上がった拍子によろめいて、転びそうになったところに尊人さんの手が伸びた。
「どうした、大丈夫?」
「だ、大丈夫です。申し訳ありません」
きちんと謝りたいのに抱えられた状態のままなんて、本当にみっともない。
里佳子さんはあんなに仕事もできてかっこいいのに、私ときたら・・・
「疲れたんじゃないか?もういいから今日は帰りなさい」
「いえ、そういうわけにはいきません。ちょっとつまずいただけですので、ご心配には及びません」
「しかし・・・」
やっと体制を立て直し、精一杯秘書の顔をして言ったのに、尊人さんは不安そう。
そしてその時、
「花音、帰るぞ」
いきなり後ろから声がかかった。
「え?」
驚いて振り返ると、険しい顔をした勇人が立っていた。
「お前、もう帰れるのか?」
私を通り越して、尊人さんが勇人に聞いている。
「ああ、必要な人には挨拶したから、後は里佳子と常務に任せるよ」
「そうか、じゃあ花音ちゃんを頼む」
私の意見など聞くこともなく、2人で話しが進められていく。
「花音、行くぞ」
私の腕を持ち、勇人が引き寄せた。
「でも・・・」
勝手に決められたことが不満でその場に踏ん張ってみたけれど、つかまれた腕に伝わる力が勇人の本気を表しているようで、強く抵抗することもできない。
結局私は勇人とともにパーティー会場を後にした。
「危ないっ」
慌てて立ち上がった拍子によろめいて、転びそうになったところに尊人さんの手が伸びた。
「どうした、大丈夫?」
「だ、大丈夫です。申し訳ありません」
きちんと謝りたいのに抱えられた状態のままなんて、本当にみっともない。
里佳子さんはあんなに仕事もできてかっこいいのに、私ときたら・・・
「疲れたんじゃないか?もういいから今日は帰りなさい」
「いえ、そういうわけにはいきません。ちょっとつまずいただけですので、ご心配には及びません」
「しかし・・・」
やっと体制を立て直し、精一杯秘書の顔をして言ったのに、尊人さんは不安そう。
そしてその時、
「花音、帰るぞ」
いきなり後ろから声がかかった。
「え?」
驚いて振り返ると、険しい顔をした勇人が立っていた。
「お前、もう帰れるのか?」
私を通り越して、尊人さんが勇人に聞いている。
「ああ、必要な人には挨拶したから、後は里佳子と常務に任せるよ」
「そうか、じゃあ花音ちゃんを頼む」
私の意見など聞くこともなく、2人で話しが進められていく。
「花音、行くぞ」
私の腕を持ち、勇人が引き寄せた。
「でも・・・」
勝手に決められたことが不満でその場に踏ん張ってみたけれど、つかまれた腕に伝わる力が勇人の本気を表しているようで、強く抵抗することもできない。
結局私は勇人とともにパーティー会場を後にした。