離婚前提から 始まる恋
「どうかしたの?」
隣で眠っていた花音が布団から顔だけ出した状態で、スマホを操作していた俺を見上げている。
「何でもない。里佳子からの業務連絡だ」
「そう」
と言ったきり、花音は寝返りを打って俺に背中を向けた。
離婚前提の結婚とはいえ、花音は里佳子の存在が気になるんだろうか?
俺にしてみれば里佳子は気心の知れた優秀な秘書。
女性として意識したことはないが、頼みもしないのに余計な詮索をする人間がいるのは承知している。
でもそれを言うなら花音だって、いつも兄貴の隣にいるじゃないか。
俺の前では不満そうな顔をするときもあるのに、兄貴に向かっては常に優しく微笑んでいる。
大体、昨日の夜だってそうだ。見るからに若い男に公道で抱きしめられていた花音を見た瞬間、俺は息が止まりそうになった。
花音のことだからきっと不可抗力で、偶然起きた突発的なアクシデントだろうと思うが、久々にキレてしまった。
部屋に着くなり唇を奪い、花音を責めるようなことを言ってベッドに連れ込んだ。
近いうちに離婚するつもりの妻を強引に抱くなんて男としてどうなんだとは思いながら、今は俺のものだと主張したい気持ちが行動に出てしまった。
ごめんな、花音。
本当は声に出して伝えたい言葉を飲み込んで、ベッドの隣に眠る花音を背中からそっと抱きしめた。
隣で眠っていた花音が布団から顔だけ出した状態で、スマホを操作していた俺を見上げている。
「何でもない。里佳子からの業務連絡だ」
「そう」
と言ったきり、花音は寝返りを打って俺に背中を向けた。
離婚前提の結婚とはいえ、花音は里佳子の存在が気になるんだろうか?
俺にしてみれば里佳子は気心の知れた優秀な秘書。
女性として意識したことはないが、頼みもしないのに余計な詮索をする人間がいるのは承知している。
でもそれを言うなら花音だって、いつも兄貴の隣にいるじゃないか。
俺の前では不満そうな顔をするときもあるのに、兄貴に向かっては常に優しく微笑んでいる。
大体、昨日の夜だってそうだ。見るからに若い男に公道で抱きしめられていた花音を見た瞬間、俺は息が止まりそうになった。
花音のことだからきっと不可抗力で、偶然起きた突発的なアクシデントだろうと思うが、久々にキレてしまった。
部屋に着くなり唇を奪い、花音を責めるようなことを言ってベッドに連れ込んだ。
近いうちに離婚するつもりの妻を強引に抱くなんて男としてどうなんだとは思いながら、今は俺のものだと主張したい気持ちが行動に出てしまった。
ごめんな、花音。
本当は声に出して伝えたい言葉を飲み込んで、ベッドの隣に眠る花音を背中からそっと抱きしめた。