国の再建のために捨てられたもと皇太子妃ですが強く生きています
「ノアが全てだったの。わたしの中で…一番大切な存在だったの。今どこでどうしてるのかわからない。あの子が泣き叫んでるかもしれない。そう思うと…震えが止まらない」

そう言いながら泣いた。

アドルフは必死で受け止めた。

自分がいなかった6年間にどれだけ2人が、2人だけの絆を作って必死で生きてきたのかを思うとアドルフの胸も張り裂けそうだった。

そしてその日からオリヴィアは躊躇わずにアドルフの胸の中で眠るようになった。

それで少しでも安心できるなら…震えが収まるなら…

アドルフは愛しい元妻をひたすら抱きしめ続けるのだった。
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